さあ、ここが投資家の間に大人気で、経営権が次から次へと替わるハウステンボスだ。
今夜は、慎サクと母の為に貸切予約をしておいた。
月明りでロマンチックな火曜の夜だけど、一般庶民のみなさんには我慢して貰おうね。
『予約しておいてた慎サク父だが・・・・』
「お待ちしておりました。
園内は、慎サク様ご一家のためだけに、
すべて通常通り営業してしております。
では、うんち袋とちっこ用ボトルの確認をさせていただきます。」
『おっと、VIPゲストにまで確認するのかい?
これがうんち袋、これがシッコを流す水だ。
ドイツ村では専用の袋をくれるけど、
レジ袋持参の方が環境にはやさしいかもね。』
「では、ごゆっくりお楽しみ下さい。」 『ありがとう。』
花の時期としては、夏から秋への端境期だが、花壇にはリクエストしておいた花々が整然と並び、誰に邪魔されることもなく、可愛い花達を愛でながら歩くことができます。
『ショップも開けておくように言ってある。
母さん、好きなものを選んで来なさい。
店ごと持ち帰ってもいいんだが、裏庭に入るかな?』
『やあミッフィー、時間通りだね。
記念写真を撮り終えたら
好きなレストランで休んでいたまえ。』
『ここがアレキサンダー広場を囲む運河だ。
このタイミングでイルミネーションを点灯するように言っておいたのだが・・・・。
ほら、点灯した。
街並みが寂しいといけないから、エキストラも何人か頼んでおいたよ。』
『フリーゾーンまで独占すると、庶民のみんなに悪いと思ったけど、
ワンピースのセットの前を子供が走り抜けでもしたら、記念写真が台無しだからね。』
『普段の人混みとは無縁の静寂、貸切の遊園地もいいものだろう?』
『さあ食事にしよう。
フレンチは食べ飽きたから、
たまには庶民の若者が好んで食べているイタリアンにしよう。
釜揚げシラスとシシトウのスパゲティーニ、
季節野菜とアサリの手打ちタリオリーニ。
これは民衆が喜びそうな味だねえ。
大きな皿に量も多いし、
これではデザートに用意した
ブルガリのチョコレートにも手が伸びないな。』
『いけない!もうこんな時間だ。
アルバイトのみんなを、そろそろ帰してあげないといけないね。
ANAホテルの温泉ジャグジーもリザーブしておいたよ。
すぐそこだけど、リムジンを呼ぼうか?』
そうして、ハウステンボスの入場料一人1,500円を上回る、一人1,700円也を支払い、ANAホテルの温泉に浸かったのであった。
さて、今夜は何処の駐車場に泊まろうか?
※注 このルポにはフィクションが含まれています。対象施設での満足を保証するものではありません。