一昔前まで、写真館と言えばショーウインドウのある洋館で、入り口を開けると機嫌の悪そうなオヤジがタバコを銜えて出てくるといったイメージだった。
最近では国道沿いに大きな駐車場を持ち、多くの貸衣装を揃えた子供狙いのチェーン店が増えている。
子供写真としては七五三の撮影が圧倒的に多く11月に撮影が集中するため、他の期間にサービス料金を設定したりとその分散に努めている。と最近の商業新聞に載っていた。
その手にまんまと乗せられて、コウスケも写真を撮って来た。
スタッフはすべて女性で、プロカメラマンのようにモデルをチヤホヤしてくれるので、普段は写真嫌いのコウスケもノリノリで撮って来たらしい。
三流芸能事務所のカタログのようで、如何にもといったスタイル。本人が大人になったときには見たくないと言うだろう。(まさかのナルシストかも知れないが・・・・。)
慎之介がミズネエの結婚式に出たときにいただいた羽織袴を、朔太郎が着た写真がないと、母が撮影していた。
コウスケの写真を複写していた私もカメラを向けたが、ピンボケ・ブレブレで、何事もおざなりとなる弟の悲劇が良く伝わる画となった。