自宅近くのデニーズが今日店を閉めた。7&iに限らず、すかいらーくグループを始めファミレス業界はリストラの最中である。街はずれのロイヤルホストよりは減速感が無いように見えたが、本部の決定とあらば仕方のないことなのだろう。
デニーズにとりわけ思い入れがある訳ではないが、すぐ近くということで、この建物にはいろんな想い出が残っている。
隣のバッティングセンターで、150kmの速球を空振りした後、昔懐かしいクリームソーダを飲んだり、海外からの帰りにラーメンを食べたりと、何でもござれのメニューは至極便利だった。
下の娘が幼い頃、家内の居ない土曜日には、二人でパンケーキのブランチにしたものだった。
雨の日に起した接触事故の、示談の場になったりもした。
国道沿いということもあって、クルマを替える前には、お替わり自由のコーヒーを片手に、走る車を品定めしたりもした。
今夜、たまたま家内がいないので、ここで夕食をとることにした。店内はほぼ満席だったが、一人だったのでカウンターに席をとることが出来た。
初めの頃のデニースはアメリカンそのままに、サンドイッチやハンバーガーといったパンメニューが多かった。そのうちに子供から老人までを対象にしたマルチメニューに変更されたが、最初の頃のチョット米風が、田舎者には洒落て見えた。
今夜は、近頃ではほとんど口にすることが無くなったデミグラス・ハンバーグ・セットを注文した。
最後の晩餐に「ライスの盛り方が、もう少し綺麗だったら・・・・」と、惜しまれる。
特に閉店イベントはやらないそうだが、きっと私と同じように、安っぽいデコラ張りのテーブルや、シミの入ったカーペットに感傷を抱きながら食事をしようとする人達で、外には行列が出来た。
31年前といえば、私もやっと自分のカネで彼女に(今の家内)ご馳走することが出来るようになった頃である。二人の娘達が生まれてからは、薄給を費やして食べるハンバーグやサイコロ・ステーキがプチ贅沢だった。
娘達が大きくなるとファミレスメニューにも飽き、フルーツパフェや白玉ぜんざいやらのデザートだけを食べに行くことも多かった。
それも少なくなった近頃ではあるが、想い出の場所が無くなるのは寂しいものである。